幸野果の生産者 - 佐々木さん

かつては建設会社の社員として全国各地を飛び回っていた佐々木人道さんは、現在、神奈川県愛甲郡愛川町で有機農業により様々な野菜を栽培しています。


佐々木さんの曾祖父は北海道で漁業を営んでいました。曾祖父の元を訪ねる時はいつも美味しい海と山の幸が待っていました。


”小さいころから持っていた一次産業へのあこがれはその影響かもしれない。”


佐々木さんは転勤で全国各地を巡った後、地元藤沢に戻ってきました。ちょうどその時、隣接する戸塚の共同農園が参加者を募集していました。その農園への参加が佐々木さんが農業に就くきっかけとなりました。


”農園では地元の農家の方々が肥料のやり方や農薬のかけ方などを指導してくれた。自分たちの手で作物を栽培できたという充実感はひとしおだった。それに収穫した野菜は格別においしかった。それが農業に向かおうとする自分の背中を押してくれたんだと思う。”


そうは言っても気になることはありました。


”夏に半そでサンダル履きで農園にいても虫に刺されることがなかった。さすがにそのような状況は「普通ではない」と思っていた。ある時、雑草が生い茂る中で丸々と育つキャベツを見かけた。その時「これだ!」と自分が行う農業への具体的な方向性が決まった。”


45歳で会社をリタイアした佐々木さんは、農業アカデミーに通って農業に必要となる専門的な知識を習得しました。農家デビューは今から9年前です。自然農法による栽培を開始しました。


”山や森では自然の循環で作物が成長している。人が耕すことも肥料をあげることもない。”


とは言え自然農法は色々と大変だったと言います。


”自然農法は自らが目指す「農」の方向性には合っているものの、「業」として十分に必要な収穫高を得ることが困難だった。生活できなければ農業を続けることはできない。だから収量を期待しながら、出来る限り自然に近い農業を目指すことのできる有機農業に転向した。”


佐々木さんは農業を行うにあたって自らに課してる2つのルールがあります。


”1つは化学肥料は使わない。もう1つは農薬を使わない。”


肥料は有機由来のものと決めています。堆肥や米ぬか、油粕を直接畑に撒いたりぼかし肥料にして使うことを基本にしています。もちろん除草剤も化学的に合成された(つくられた)農薬もつかいません。


”自分の子どもに胸を張って食べさせることができる作物を作るのが自分の農業。作物本来が持つ滋味あふれる美味しさを安心して食べられることが大切。”


そのためには自分の畑の状況をよく理解し、必要な栄養分やミネラル分を補充していくことが重要だと言います。健全な土壌を育む土づくりのため、堆肥づくりや肥料作物の栽培、耕耘や施肥の仕方などでの試行錯誤は続きます。


”有機栽培に合う品種探しや新たな栽培方法での試行錯誤のネタは常に探している。仕入れたネタがうまく行ったときは嬉しいし、これからの展開を考えるとワクワクしてくる。”


”20代、30代の多くの元気な若い人たちが農業に魅力を感じて、土づくりを大切にした農業を一緒にやっていくことができれば嬉しい。”


安心して食べられる美味しい野菜作りのため、佐々木さんの探求はこれからも続きます。


幸野果 - Konoka

食べて美味しい農産物、参加して楽しい農業をモットーに、食べる人、作る人、参加する人みんなの健康と幸せにつながる「農」をめざしています。

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